意外と知らない食品の加工過程

次亜塩素酸水で消毒された鶏肉

私が居住しているイギリスでは、ブレクジットの兼ね合いで英米間の貿易に関して議論の最中です。
「アメリカ産の次亜塩素酸につかった鶏肉が英国にも流通してくるのでは」という懸念があるというニュースにより、私はこのトピックに着目をしました。英国は、鶏肉を次亜塩素酸水で洗浄することを禁止していますが、米国の養鶏業界では、一般的だそうです。もしや!と思って調べてみると、やはり日本でも次亜塩素酸水を使用した鶏肉の消毒を行っています。

食肉処理後、鶏肉を抗菌性の次亜塩素酸水で洗浄することで、食中毒から私たち消費者を守ります。
しかし、イギリスは、安全で新鮮な食材を届ける「農場(生産者)から食卓(消費者)へ」というコンセプトを採用し、販売する食品が安全であることを保証するために、高い衛生レベルおよび動物福祉(アニマルウェルフェア)の基準を採用し、細菌のまんえんを防ぐように機能しています。つまり、次亜塩素酸水での消毒は必要がありません。

欧州連合(EU)は、食品の安全性の懸念を理由に、1997年に次亜塩素酸水での消毒を禁止しました。

しかし、次亜塩素酸水自体の使用は問題ではありません。鶏肉を消毒するための次亜塩素酸水の使用は禁止していますが、ヨーロッパの企業もサラダを洗うために次亜塩素酸水を使用しています。

1.次亜塩素酸水での洗浄は、効果があるのか

サウサンプトン大学の研究では、次亜塩素酸水で洗浄した鶏肉にも活性しているリステリアやサルモネラなどの病原菌が存在していることを見つけました。また、アメリカ合衆国農務省(USDA)は、サルモネラ菌を「混入物」として扱いません。つまり、サルモネラ菌の混入がリコールの引き金となることはありません。USDAは、2016年2月に定期的に鶏肉のサルモネラ菌検査を開始し、最大許容汚染率を15.4%に設定したそうです。

汚染率15%って結構高い数値だとは思いますが、きちんと高温で加熱をすることでサルモネラ菌は死滅するので、アメリカは問題視していないのかもしれません。

2. 動物福祉、アニマルフェア

高レベルの衛生的な環境とアニマルフェアにより、健全な農場では、衛生的な環境を促進しており鶏肉を塩素で洗浄する必要はありません。

不衛生な狭い家畜施設で、鶏を大きな群れにしておくと、細菌が発生して広がる可能性がはるかに高くなることが分かっています。そのような農業では、感染を防ぐ予防策として鶏に抗生物質を定期的に与え、と殺した後は、細菌を殺すために次亜塩素酸水で洗浄することがよくあります。

農業における抗性物質への依存は、私たち人間にとっても問題となっています。
次亜塩素酸水による洗浄や抗生物質の日常的な使用は、農場や食肉処理場不衛生を補うための方法と見なすべきではないのでしょうか。
例えば、オーガニックソイルアソシエーションのオーガニック基準のように、小さな群れで飼育し、屋外の広い範囲へ自由に行き来できれば、鶏が感染症を発症するリスクがぐっと減ります。
動物福祉を提供し、動物の病気を防ぐことで、抗生物質の日常的な使用は必要なくなるのです。

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代表・編集長 鈴木聖佳
フードアクティビスト/Food activist 2012年2月よりイギリス・ロンドンに居住。 約7年半、都内の化粧品メーカー・兼商社に勤務。Eコマースに特化したマーケティング及び法人営業を行う。約2年半、ロンドンの金融業界で勤務。のちオーガニック・ナチュラルプロダクトのオンラインショッピングプラットフォームの新規営業として、世界中の2,000以上のブランドをリサーチし、日本のマーケット参入を目的とし約70以上のブランドパトナーシップ契約を結ぶ。また、オーガニックプレスでコラムを執筆中。 ビオナチュラ&コーの立ち上げストーリ及び実績はこちら
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