インタビュー

インタビュー(2):ゼロ・ウエイストを取り入れたライフスタイル

堀 真理子 ( Pangaroo代表・株式会社斗々屋 執行役員)Instagram:@serotonin_now
1987年9月生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。パリ第4大学大学院進学後、フランスの電力会社EDFのベルリン支社でのインターンシップを経て、2013年にドイツ・ベルリンへ移住。調査会社に就職し、日本の政府機関や民間会社からの依頼を受けて調査、通訳、翻訳などを手掛けた。2017年、産業用太陽光発電所の計画と設計を行うドイツの開発会社に転職。プロジェクトマネージャーとして、日本における複数のメガソーラープロジェクトに貢献。ベルリンで自ら実践していた「ゼロ・ウェイスト」な暮らし方を日本でも普及させたいと考え、2019年末に帰国。2020年2月、リユースできるパン袋の持参を呼びかける任意団体Pangaroo(パンガルー)を立ち上げ、現在は、量り売りモデルショップnue by totoyaを運営している株式会社斗々屋でゼロ・ウエイストの事業に携わる。

Q. ゼロウエイストをスタートしたきっかけは?

ベルリンで生活をしていたとき、量り売りの店舗の記事を目にし、行ってみよう!とその店に入ったこと。その当時、どうやって量り売りの商品を買うのかさえ分からなかった。
その後量り売りではない普通のスーパーマーケットへ行き、商品と同じくらいのごみを買っていることに気が付く。今まで持たなかった視点を持つことで、新たな価値観が生まれたそう。もし日本にゼロウエイストの店を作ったら、きっと私と同じような経験をする人がいるのではないだろうか。ゼロウエイストに関する他の人の視点を変えるきっかけを作りたいと思ったのだそう。

Q.ゼロウエイストを心掛けて、生活で実践している具体的なことは?
  1. 引っ越しの際、カーテン以外は、ほとんどの家具や雑貨をリサイクルショップ・メルカリ・ジモティーで中古品として購入。
    新品である必要がないし、出品者も手間ひまかけて出品してくれているから応援したい。そして安物を新品で買うよりも高級品を中古で買うほうが、長持ちして結果的にお得。例えば「子どもがいるので家具に多少の傷がありますけど、大丈夫でしょうか」という出品者とのやりとりも楽しい。愛着を持って使ったものを譲り受けるのは、とても気持ちが良いものだとも感じているそう。ちなみに、ドイツの家を引き払うときも「売る」「寄付する」「譲る」のいずれかの方法で不要な物を処分されたそうです。時間はかかるが、その過程で新しい友だちができたり、喜ぶ顔が見られたり、とても心が満たされたと語る。
  2. ストックを可視化することで、何をどれだけ持っているのかがクリアになり食品ロスを防げる。
    ベルリンから日本へ引っ越しをした際に、思いのほか捨てなければならないような食品ストックがカップボードから出てきた。それから一部食品を可視化できるような容器で保存しているようです。
  3. トイレに流せるおから猫砂を、そして猫トイレにはステンレス製の「ホテルパン」タイプのもので代用!
    おからのものにすることでトイレに流せる。また、猫トイレはプラスチック製のものが多いが、尿はプラスチック製を劣化させ、いずれ買い替えが生じるため、ステンレス製のものであれば、劣化が防げるのではないかと思いステンレス製の猫トイレを探したが見つからなかったので、大きさや深さがぴったりなホテルパンを購入したとのこと。
  4. 生ごみをコンポストしている。
    生ごみをビニール袋に入れて捨てることなく、キッチン下のコンポストに溜めて庭の土にかえしているそう。

  5. 酸素系漂白剤・重曹・クエン酸・エタノール・セスキ炭酸ソーダなどを大袋で購入し、クリーニングプロダクトを自分で作る!
    無駄なプラスチックごみを出さないように、そしてナチュラル・体に害があるものをなるべく含まないように掃除用プロダクトが出来る。
  6. 生理用品も使い捨てではなく、月経カップと布ライナーを併用!
    きっかけは約6年前、突然生理が来てしまい困っていたとき、アメリカ人女性からタンポンを差し出されると同時に月経カップの存在を教わったこと。生理用品を購入できないアフリカの女性のために開発したというブランドのストーリーに共感し、使い始めたそう。生理のことを完全に忘れて、一日を過ごせるので、もうナプキンやタンポンには戻れないと語る。
  7. 買い物をする際に考えて消費を考える!
    買い物は企業を応援すること。企業のフィロソフィーやブランドが出来上がった背景などを調べ、納得・共感できるものを購入するようにしているそう。他にも商品を選ぶときは、人と環境に配慮して生産されているか、過包装されていないか、コンポストできるか、リサイクルできるか等を検討基準としているそう。
  8. 「使い捨て」を可能な範囲で見直した。
    使い捨てるのが当たり前だと思っていたものについて、一つ一つを考え直した結果、ごみが激減したそう。堀 真理子さんのご自宅には以下の物を置いていないそうです。

    キッチンペーパー → 古布を使いやすいサイズに切って常備
    ラップ → 手作り蜜ろうラップで代用
    アルミホイル → なくても意外と困らない
    使い捨ての生理用品(※災害時用を除く)→ トイレにごみ箱はない
    消臭剤・芳香剤 → 重曹にエッセンシャルオイルを垂らして代用
    クイックルワイパー → 掃除機、ほうきを使用
    家庭用のごみ袋やレジ袋 → 生ごみをコンポストをしているため、ごみは乾燥していて匂わず不要

    Q.現在パンガルーというプロジェクトを立ち上げているようですが、どういうものなのですか?


    マイ巾着袋を持参して、使い捨てのごみ袋を減らそうという取り組みです。エコなアクションを「マイボトルの持参」のように、多くの人々の日常に取り入れてもらうには、重要なポイントが3つあると考えているのだそう。

    手軽であること
    効果が高いこと
    習慣化しやすいこと

    そこで、彼女が日常的にしていることのなかで上記のポイントが全て当てはまるアクションは何かと考え、たどり着いたのが何年も前からドイツでは普及しているマイ巾着袋の持参だったとのこと。
    日本でパン屋や八百屋に「これ(マイ巾着袋)に直接入れるのでビニール袋はいりません」と言うと、最初は驚かれるが対応をしてくれる。この買い物スタイルを日本に普及させる狙いで、パンガルーを設立されたそうです。

    Q.マイ巾着袋の使い道はたくさんあるのに、なぜ「パン」に焦点を当てたのか?

    1つ目は、忙しい現代人の専門店離れ。八百屋を利用する人は少ないがパンに関しては、スーパーではなくパン屋で買う人が多いので、そこに着目したとのこと。
    2つ目の理由は、パンは野菜や果物のように皮をむいたり、洗ったりできないから。そんなパンをマイ巾着袋に直接入れて買うということは、きれい好きな日本人にとって、かなりハードルの高い行為なはず。だからこそチャレンジのしがいがある。パンのマイ袋持参を浸透させられたら、他の食べ物もプラスチックフリーで買えないかな?という思考が生まれやすい。人々の意識を変えられるのではないか?というチャレンジだそう。

    そんな堀 真理子さんは、ゼロ・ウェイストというムーブメントを日本でも広めるため完全プラスチック・フリーの量り売り食材店を東京に作る予定で2019年の末に会社へ辞表を出し日本に戻ったそう。しかし「斗々屋」の社長と出会い、考えは一変。自分で一つの新しいお店をつくるのではなく、日本中の既存店に量り売りを導入してもらえるよう働きかえる。限られた財源とマンパワーで最大限の社会的インパクトが生み出すには、これしかないと思う。また「斗々屋」と関わるなか、日本のオーガニック事情や食品ロス問題の深刻さにも考えが及び、ビジョンが具体化したとのこと。

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    代表・編集長 鈴木聖佳
    フードアクティビスト/Food activist 2012年2月よりイギリス・ロンドンに居住。 約7年半、都内の化粧品メーカー・兼商社に勤務。Eコマースに特化したマーケティング及び法人営業を行う。約2年半、ロンドンの金融業界で勤務。のちオーガニック・ナチュラルプロダクトのオンラインショッピングプラットフォームの新規営業として、世界中の2,000以上のブランドをリサーチし、日本のマーケット参入を目的とし約70以上のブランドパトナーシップ契約を結ぶ。また、オーガニックプレスでコラムを執筆中。 ビオナチュラ&コーの立ち上げストーリ及び実績はこちら
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