インタビュー

インタビュー(4):一生畑から離れることはないだろう

沖縄県 有機農業を実践する農家
トゥデラサカタ 理加さん

プロフィール:自給自足で元気に長生きした祖母の影響を受け、好奇心旺盛で畑や調味料作り、自然療法を取り入れた生活をするようになる。ツルツルの赤ちゃんを出産したいという思いから、アーユルヴェーダを学びに上京。のちに、第一子をアクティブバースでスルッと出産。その後、乳飲み子を抱えて沖縄の古民家を改装し沖縄創作料理店をスタート。長男は、食養生、ホメオパシー、漢方を取り入れた育児でほぼ病院にお世話になることなく成人を迎える。20代で保留にしていた畑をこれ以上先延ばしにはできないと、自然栽培で沖縄の在来種を中心にその土地と気候に合ったものを試行錯誤しながら栽培を始める。現在、Bio Logical Farmingと出会い、過去にパニック障害を分子栄養学で治した経験から、そのBio Logical Farmingとの共通点に魅了され、栄養価や抗酸化力の高い野菜を持続的に、そして自然にも調和した環境で作り出すことに日々奮闘中。
▽Kusumin ~ 畑から台所へ ~ https://m.facebook.com/kusuimun/

これまで品種を少しずつ試していたけれど、農家一本でやりたいと思って!

「20代前半から農家になりたかった」と語るトゥデラサカタさん。
その当時は、有機農家になるのが難しかったそうです。そして、農家になる前は、自営業・会社員もされていたが、これ以上ご自身の夢を先延ばしに出来ないと行動に起こす!そんな農家のトゥデラサカタ 理加さんにインタビューをさせて頂きました。

Q1: 20代のころに有機農業をしたかったきっかけは?

祖母が沖縄で自給自足をしていた、食べる分だけ自然自家栽培をする生活スタイルを見ていた。例えば、海に行って、魚を釣って、縁側ででんぷんをとっていた光景も記憶に残っているそう。加工品までも自分で手作りするためか、その祖母が病気をしたのを見たことがなかったと語る。

一方、トゥデラサカタさん自身は、中学2年生のとき良性の腫瘍が見つかった経験をする。
それがきっかけとなり、食に関することや自然と調和する暮らしを探り始めた。

Q2:現在は、有機農家になる申請をされているそうですね。

現在は、農作業をしている土地は2カ所あり、ひとつは果樹などをメイン栽培している有機の認証を取っている農家の2000坪ある農地です。その土地で少量多品種を栽培しており、主に自然栽培を行っている。

もうひとつは、5年程ほったらかしにされていた耕作放棄地で農薬や肥料などが何も使用されていなかった450坪の土地を農地中間管理機構を通して借りており、年内には900坪以上に広げる計画だそう。そして、作った作物を流通させ、営農を行う予定。また、有機農業をスタートすると最短で来年2021年で有機農家になれる予定と語る。


ちなみにトゥデラサカタさんは新規就農したため、新規就農の最低条件である900坪という下限を満たすために、900坪からオーガニックの認証を受けてとお考えだそう。

実際、オーガニックの認証は50坪でも100坪でも受け付けてくれるが、1回の申請でいくらと括りになるので、できるだけ大きい坪数を1度に申請する方が費用対効果が良いとのこと。

Q3:ご自身の土地では何を栽培する予定なのですか?

以前より、沖縄の在来種をなるべくやりたいと思っており、土地を見て、試してみて土地に合っている島らきょうとゴマの2種で栽培計画を立てているそう。

Q4:有機農業の手順や技術はどうやって学ぶのですか?

本やネット、また地主が有機農家なので、その方にアドバイスや意見を尋ねることもあるそう。また、有機JAS認証機関が主催する有機農家になるための講習会を受けた。
そして、現在はトゥデラサカタさんが夢中であるBio Logical Farmingの講習会や、その農法をすでに実施されている方からアドバイスをもらっているそう。

Q5:現在栽培された作物はどうされていますか?

自然栽培のものは、直売や個人のFacebookで販売をしている。
また作物の販売だけに限らず、ゴマを栽培して、ゴマ油を搾るワークショップなどを開催しているそう。

Q6:動物性のフンではなく、植物性の肥料を使用されているそうですが、その理由は何ですか?

はじめは、肥料として使用する牛ふん堆肥にホルモン剤や抗生物質など、何が入っているのか分からないので使いたくなかったと語る。そして、どんどん調べて行くと動物性肥料は窒素の配合が高いため、「野菜が虫に食われやすくなる」や「病気になりやすい」とも言われている。実際に試したところ、それを実感できたので、動物性のものを使用せずやっていこうと思っているそう。

牛ふん堆肥を使用せず、どうやって代わりになるものを野菜に供給していくのかというと・・・

緑肥のなかでも窒素を土のなかに固定することができる品種があるので、そういうのを活用しながらやっていきたいと思っている。そして、土壌分析をしながら、ミネラルや窒素が土壌にどれくらいあるかを把握し、窒素過剰にならないように美味しくて抗酸化力や栄養価の高い野菜に育つような土づくりを心がけているとのこと。

Q7:有機農業での緑肥と別に納豆菌・酵母菌を使っていると伺いましたが。

450坪の農地に緑肥のイネ科の草(草3トンほど)を敷き詰め、その草の上に菌類を散布し、すき込ん土のなかにすき込んで行く作業ですが、すき込んだ草を作物がうまく吸収するように微生物が必要です。そこで、納豆菌と酵母菌の培養を行い、それでできた液体を土全体に巻いているそう。

また、それだけでなく天然のミネラル資材を入れたり、窒素の成分がこの土にないので、ヘアリーベッチを植えて緑肥では足りない窒素を補っていく作業も行っているとのこと。

Q8:農家として、どの作業や行程が一番大変ですか?

開墾・土づくり・種を植えるときの体勢・収穫・梱包、どれをとっても全部大変。それは、普段、私たちはボタンひとつで何でも出来てしまうような日常生活をしているなか、畑ではどれも手作業なので大変ですと苦笑いするトゥデラサカタさん。

けれども、それを上回る喜び・やりがいがあるので、今後こういうようにしたら良いかなどを考えることも楽しいと語る。

Q9:では、やりがいは何ですか?

体に良い食材を生み出すことが祖母の影響もあり、体に組み込まれている感じがする。
自然の中に、そして畑に居るだけでも喜び。
昨日まで何もなかった作物に翌日実がついていることなどを見ると喜びになるので、やめられないですとおしゃっていました。

Q10:ずばり聞きますが、トゥデラサカタさんにとってオーガニックとは?有機農業とは?なんですか。

これまではオーガニックとは、自然と同調したというふんわりしたイメージを持っており、勘や感覚を頼りに自然栽培でやってきたが、今は化学式!
なぜ、このようになるのかというメカニズムや科学的根拠などに深い興味があるそう。
なので、有機農業とは自然サイエンス!


最後に、新規就農された有機農業を実践するトゥデラサカタさんだからこそ伺ってみました。
もし「有機農家になりたい!」と思っている方がいたら、まず何をしたら良いでしょうかという質問をぶつけてみました。

すると、こんな素晴らしい回答を頂けました。


まずやる事は、実際に小さな面積でいいので何か栽培してみること。
一畳分くらいのサイズでも実際に草刈りしたり、土を耕したり、種を選んで種まきをすると土の中の様子や植物の性格が見えてくるようになります。
残念ながら、農業を実際行わずに、熱意だけを持っていては、スタート地点に立てずに振り落とされていくことが多いでしょう。特に、有機農法で新規就農を試みている場合、県やその地域の自治体に一度相談に行くだけでは全く相手にしてもらえません。また、逆に化学農薬を使うよう指導されてしまうはずです。農家になるには、まずは地域の農業委員会に認められなければいけません。
しかし、意見の合わない担当者がいるのは当たり前です。
農業をやってもいない方々から「有機農業では生活していけないよ」と言われ事も多いです。「やめた方がいいよ」と、親身になってくれる立場の人からのアドバイスを時には、聞き入れないようにする必要もあります。本当に自分は有機農家になりたいのかを問われる出来事がたくさん起こるかもしれません。
けれども、熱意と行動が伴っていれば応援してくれる方がそのうち現れると思います。
自分自身に正直に、ブレずにいると、必ず道が開けてくる時がやってくるはずです。
そうすれば新たに土地を増やしたり、同じ志しの仲間をつないでもらったり、さまざまな有益な情報が入ってくるようになります。
あとは常に、農業をより良くしていけないかアンテナを伸ばしつつお勉強を忘れずにやっていけば、楽しく有機農家の道を進んでいけるのではないでしょうか。

というアドバイスでした。
もしこのなかに、有機農業をやってみたい!という方がいれば、トゥデラサカタさんのお話が参考になると幸いです。

ABOUT ME
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代表・編集長 鈴木聖佳
フードアクティビスト/Food activist 2012年2月よりイギリス・ロンドンに居住。 約7年半、都内の化粧品メーカー・兼商社に勤務。Eコマースに特化したマーケティング及び法人営業を行う。約2年半、ロンドンの金融業界で勤務。のちオーガニック・ナチュラルプロダクトのオンラインショッピングプラットフォームの新規営業として、世界中の2,000以上のブランドをリサーチし、日本のマーケット参入を目的とし約70以上のブランドパトナーシップ契約を結ぶ。また、オーガニックプレスでコラムを執筆中。 ビオナチュラ&コーの立ち上げストーリ及び実績はこちら
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