オーガニック

オーガニックとは、単なるマーケティングではなくそれ以上のもの

食品を購入する際、食品表示ラベルや認証マークなどの訴求点に目がいきます。特に、遺伝子組み換え、動物の人道的な扱い、ホルモン剤や抗生物質の使用等に関しては、スーパーマーケットの棚に並べられた食品からの判断は難しく、これらをすべて理解した上で購入をすることはできないでしょう。しかしながら、オーガニック認証製品というものは厳しい基準を満たしており、第三機関による定期的な検査を受けています。

オーガニックは、単なるマーケティングのバズワードではない

オーガニックとは、農業に対して体系的なアプローチを行い、土壌・植物・動物・人間の健康を維持することに注意して定められた生産活動における細かな規範です。こういった規範はカナダの法律で定められています。そのため、有機農家や有機の工業製品を製造する加工業者は認定を受けており、お金を払う価値のあるものを買っていることを消費者は確信できます。

持続可能な農業に関する手法

有機農業は、農業に対して体系的そして修復的なアプローチを反映しています。国際有機農業運動連盟(IFOAM)は、有機農業を健康・エコロジー・公正・配慮という4原則に基づいていると称しています。

有機農業とは「土壌、自然生態系、人々の健康を持続させ る農業生産システムです。それは、地域の自然生態系の営み、生物多様性と循環に根差すもので、これに悪影響を及ぼす投入物の使用を避けて行われます。有機農業は、伝統と革新と科学を結び付け、自然環境と共生してその恵みを分かち合い、関係するすべての生物と人間の間に公正な関係を築くと共に、生命・生活の質を向上させます」

カナダ連邦規格では、以下の4原則に基づいています。

<健康の原則>

有機農業は、土、植物、動物、人、そして地球の健康をそれぞれ別々に分けては考えられないものと認識し、これを維持し助長すべきである。

<生態的原則>

有機農業は、生態系とその循環に基づくものであり、それらと共に働き、学び合い、維持を助けるものであるべきである。

<公正の原則>

有機農業は、共有環境と生存の機会に関して、公正さを確かなものとする相互関係を構築すべきである。

<配慮の原則>

有機農業は、現世代と次世代の健康、幸福、環境を守るため、予防的かつ責任ある方法で管理されるべきである。

有機農業とは何か?

一般的に、有機農業では合成肥料や農薬、遺伝子組み換えされた原料、食品照射の使用は許可されていません。しかし、まれに使用可能な代替策が他にない場合、当該の合成物質が侵略的でも浸透性農薬で無い場合は、例外とされます。有機農業は、土壌侵食を防ぎ、肥沃度を維持し、生物多様性を助長し、再生可能な資源利用を奨励し、そして動物の人道的な扱いを約束することを目指すものです。

これは、オーガニック製品に殺虫剤や化学肥料を使用できないということではありません。そして、オーガニック製品に合成農薬・化学肥料などの残留物が全く無いということでもありません。(スプレーによる散布、または容器などからの相互汚染が可能性としてある)むしろ、オーガニック製品とは、生産者と加工業者が先程挙げた4原則を支持する厳しい基準に基づいた過程に従っているということです。

カナダ政府は、オーガニック基準解釈委員会(解釈指針委員会)により、定期的に更新、見直されている有機農業で使用が認められている物質リストを保有しています。また、オーガニック認証機関は、使用されたすべての投入物に関する詳細資料を収集すること、そして年に一度、すべてのオーガニック生産者を調査することが求められています。

土壌の肥沃度を保つことは、有機農業において特に重要です。これは合成物質の投入を避けるだけではなく、栄養素を保護し有益な生体活動を促進することによって、土壌の健康を改善させる働きがあります。また、輪作とカバークロップは、土壌中の栄養素を保つ手助けをします。耕作は、雑草を管理するためにも行われるだけでなく、また半不耕起や不耕起栽培は、掘り起こす土壌への影響を抑えることができます。これらの取り組みは、機械的に刈り取られるカバークロップのための植え付けを含みます。カバークロップは、雑草を抑制しながらも、土壌を浸食から保護し肥沃度を高める根覆いの層を作ります。

なぜ規制が必要か

カナダのオンタリオ州では、連邦政府の基準による欠缺(けんけつ)により認証されていないオーガニック製品の販売が可能になっています。そして、誤った訴求が「オーガニック」という言葉に対する消費者からの信頼を損なっています。

オーガニックという用語に一貫した定義がなければ、当分野に関する正確なデータ収集も困難です。オンタリオ州政府による法案第153号では、マーケティング、製品ラベル、および商号に「オーガニック」という言葉を使用するすべての生産者に対して、認証を要求しています。これにより、州間の貿易に関する規制ギャップを埋められるだけでなく、一貫性のある正確なデータ収集が可能になり、効果的な策定を行い生産者を支援することに繋がります。

有機農業は、生産者、消費者、動物、そして地球というすべてにとって有益なものです。常に安価なものを押し進め、短期間の生産に集中するよう強いる食料システムの下では、実現困難なホリスティック的なアプローチです。だからこそ守っていく価値があると考えています。

(John Saunders 2017)

ABOUT ME
The Organic Council of Ontario
カナダのオンタリオ州にあるオーガニックに関する地方議会です。オーガニックの食品を有機農園から食卓に運ぶ1000以上のオーガニック認証事業者、ビジネス、組織、個人を代表しています。オーガニック部門の成長、研究の支援、トレーニングの改善、データ収集の増加、市場成長を促し、有機農業の利点や必須条件などを広める活動をしています。
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