FMIによる最新の調査によると、世界のオーツミルクの市場規模は、2027年の年末までに688.8百万アメリカドル(2020年4月11日付けレート換算:約746億4,239万円)に到達すると予想されています。尚、2019年の市場規模は、372.5百万アメリカドル(約403億6,627万円)で着地しました。
レポートの調査結果は主に以下の通りです。
・現在は限られた企業が市場を独占している状況なので、新規参入のブランドも期待できそうです。
・食品及び飲料部門の拡大は、オーツミルク市場の前兆を指しています。
・乳製品の代替として植物性ベースの需要が高まることが、オーツミルク市場を導きます。
伸び悩む従来の牛乳の売り上げ
北米とヨーロッパの数か国では、すでに乳製品の需要が伸び悩んでいます。
Canadian Diary Information Centerが発表したデータによると、アメリカでは、一人当たりの牛乳の消費量は2008年の79.8リットルと比較すると、2017年は65.2リットルと乳製品摂取が低下していることが分かります。メキシコとカナダでも同様の減少が見られていると言われています。そして、ヴィーガンの発祥地であるイギリスの2019年の報告では、従来の牛乳の需要は減少しているが、オーツ、アーモンド、ココナッツから作られた植物ベースのミルクの販売は過去2年間で10%急増しているということです。
また、乳製品代替品として植物ベースのミルクを使用したホイップクリーム、ヨーグルト、アイスクリームなどさまざまな製品も増えています。
ソイミルク、アーモンドミルク、ココナッツミルクは人気を保っていますが、最近はオーツが主流になっています。
例として2019年のイギリスの売り上げを見てみると、オーツミルクの売り上げは2018年より急増し、70%伸びました。一方、ココナッツミルクの売上高は16%増加し、アーモンドミルクの売上高は同じ期間に10%増加しました。また、スウェーデンのブランドOatlyは、イギリスの売上高は2018年に90%近く増加して1,800万ポンド(約24億円)になり、2019年は3,000万ポンド(約40億円)を超えると予想していると述べました。
カテゴリーの成長を促進する健康志向の増加
少し前は、オーガニックオーツを使用した飲料は健康志向の消費者のための特別なアイテムでした。しかし、現在では慣行農業で栽培されたオーツを原料としたミルクより、オーガニックオーツのミルクを好むようになって来ています。
このオーツミルク市場を引っ張る ブランドは、Drinks Brokers, Alpro, Oatly Quaker Oats, Rude Health, Pureharvest, Kaslink Food, Pacific Foods of Oregon, Darkoff, Riso Scotti, Valsoia, Isola Bio, and BJORGを含みます。FMIによると、このカテゴリーを購入する消費者は、商品パッケージの見た目とブランドの特徴に強く影響されていることが分かっています。
そのため、上記で挙げたブランドのいくつかは、創造的そして革新的なパッケージデザインにするために投資をして、市場に出回っているさまざまな植物ベースのミルクと区別をしています。
主要プレーヤーが採用したこのようなマーケティング戦略は、市場全体にプラスの影響を与える可能性が高いとFMIは指摘しています。
