オーガニック食品を食べる人は、リンパ腫や乳がんになる可能性が25%少ない
ある研究では、より多くのオーガニックの農産物・乳製品・肉・その他のオーガニック食品を食べる人たちは、そうでない人たちに比べてリンパ腫や乳がんなどと診断される比率が25%少ないことが報告されました。
一般的にオーガニック食品を買う人は、「健康に良い」と信じてオーガニック食品を購入していますが、これまでのところオーガニック食品を食べることで得られる利点の科学的根拠は明らかではありませんでした。
フランスは、約7万人を対象に調査
しかし、今、5年間に渡り約7万人の成人(そのほとんどが女性)を調査したフランスの最新の研究では「オーガニック食品を頻繁に消費する人は、オーガニック食品を食べたことがない人よりも、がんの発症率が25%少ないと報告されています。」
またオーガニックの果物・野菜・乳製品・肉などの食品を食べた人は、リンパ腫の発生率が急激に低下し、閉経後の乳がんの発症率が大幅に減少していることも分かりました。
医学の査読ジャーナル『JAMA Internal Medicine』に発表されたこの研究は、公的および政府資金によって行われたものです。しかし、 ハーバード大学の栄養学の専門家たちは、参加者の残留農薬のレベルをテストしていないことを批判し、結果の再調査を求めています。
がんの発生とオーガニック食品の消費に関連する大規模な研究は、この他に2014年から実施されたイギリスの研究のみです。 その研究では、ほとんどの頻度でオーガニック食品を食べる女性は、非ホジキンリンパ腫のリスクが低いことがわかりました。しかし、オーガニック食品を消費している女性の間で、乳がんの発生率が高いこともわかりました。そのため、オーガニック食品を食べることにより、がんのリスクが全体的に低下することはないと報告されています。
しかし、ミリオン・ウーマン・スタディとして知られている研究の著者は、「所得水準が高く、高学歴な女性たちがオーガニック食品を購入していた傾向にあるのではないか、つまり子供が少ないことや飲酒量が多いなど、乳がんになる可能性を高める危険因子を持っていたのでは?」と述べています。
フランスで68,946人のボランティアを対象に行われた研究は、イギリスの研究の参加者より詳細にわたる情報提供をしました。ボランティアの平均年齢は44歳、そして78%は女性でした。参加者の健康状態、職業、教育、収入および喫煙の有無、体重、体を動かす頻度、アルコール摂取量、家族のがん既往歴などの詳細に関する情報も2週間におよび毎日何を摂取したか、事細かい情報を提供しました。
リンパ腫は76%少なく、非ホジキンリンパ腫は86%少ない、乳がん発生率は34%少ない
オーガニック食品を頻繁に消費する人々は、リンパ腫は76%少なく、非ホジキンリンパ腫は86%少なく、また閉経後に発生する乳がんの発生率は34%少ないことが判明しました。リンパ腫の減少はそれほど驚くべきことではないかもしれません。 疫学的研究において、仕事を通して特定の農薬にさらされている農家や農場で働く人々は、いくつかのリンパ腫についてより高い発生率が見られるからです。
使用許可されていた農薬3種が発がん性物質
国際がん研究機関(IARC)は、農業で一般的に使用されている2つの農薬をマラチオンとジアジノンをグリホサート除草剤と同じように発がん性物質と分類し、3つすべてを非ホジキンリンパ腫に関連づけています。
オーガニックの食生活により乳がんのリスクが軽減される1つの理由は、多くの農薬がエストロゲン機能のように作用する内分泌かく乱物質であり、ホルモンが乳がんを作用するからです。
The New York Times 執筆者:Roni Caryn Rabin Can Eating Organic Food Lower Your Cancer Risk?
