
2019年、気候変動政府間パネルは、農業活動が世界の温室効果ガス排出量のほぼ4分の1(24%)を占めていると特定しました。
確かに気候危機を食い止めるには、農業システムを変える必要があります。
しかし、農業が気候危機への負荷をかけている存在から、農業で気候危機に対して解決策を生み出せる存在になったらどうでしょうか。そんなに素晴らしいことはありませんね。
環境再生型農業の世界的リーダーであるRodale Instituteが2014年に発表した論文は、二酸化炭素を隔離し、土壌の健康を改善し、そして世界の人々に食糧を供給することができる環境再生型農業の可能性を示唆しています。
主な調査結果
・作物と草地の両方の管理を世界的に環境再生型農業システムに移行することは、年間のCO排出量を100%以上削減し、大気から二酸化炭素を引き出して土壌に貯蔵することができる強力な組み合わせです。
・適切な草地管理をすることで、家畜は土壌に封じ込める二酸化炭素を増加させ、温室効果ガスの排出を相殺する以上のことが可能です。環境再生型農業システムの作物収量は、ほとんどの食用作物で従来の収量を上回ることが示されており、環境再生型農業は、気候を安定させ、生態系を再生し、生物多様性を回復し、農村コミュニティを強化しながら、世界の人々に食糧を供給できます。
環境再生型農業とは何か?
環境再生型農業は、生態系全体を再生させ、天然資源を枯渇させるのではなく強化する農業原理のシステムです。環境再生型農業は、自然に逆らうのではなく自然と調和する方法で食物を育て、健康な土壌と植物の独自の特性を使用して地下に炭素を閉じ込めながら、土壌の健康、動物福祉、および農業従事者の幸福を改善します。
炭素隔離とは何か?
大気から炭素を捉え、土壌などの媒質に貯蔵するための科学用語である炭素隔離は、気候変動を食い止める重要なツールです。植物が光合成をしている間、太陽のエネルギーを使って大気中の二酸化炭素から糖を抽出します。これらの糖は植物の根を通り、そこから土壌のバクテリアや菌類に栄養を与えます。
これらのバクテリアや菌類による炭素の消費は、炭素をより安定した材料に変換し、地下に閉じ込めることを可能にします。工業型農業は、土壌を破壊して炭素を逃がす耕うんや、隔離プロセスに不可欠なバクテリア、微生物、菌類を土壌から取り除く化学物質農薬や肥料を使用し、このプロセスを破壊させてきました。気候危機を食い止めるためには、環境再生型農業の実践で土壌を保護することが不可欠です。
