気候変動の危機を私たちの手で止めることができます。
少なくとも、国連気候変動に関する政府間パネルは、農業が起因すると考えられているグローバルの温室効果ガス排出量を23%削減できると言及しています。
その方法は再生可能な有機農業です。そして、それを行う時が今なのです。
2019年8月、国連は、人間が食物を育て土地を利用する方法に劇的な変化をもたらすことなく、気候変動の影響を食い止めることができないと結論付けました。
工業型農業は、食物を栽培するために、重機や耕作に加えて、化学物質の投入と化石燃料を多用する合成肥料の使用に依存しています。そして、畜産農業を含むこの工業型農業は、大量の炭素、メタン、その他の温室効果ガスを大気中に放出します。
対照的に、科学は、土壌の健康、カバークロップ、輪作、動物を放牧するなどの良い農業慣行を優先する有機農業は慣行農業よりも45%少ないエネルギーを使用し、炭素排出量を40%削減することを証明しています。また、これらの収穫量に統計的な差はありません。
再生可能な有機農業は、農薬や人工肥料などの合成原料に頼るのではなく、自然のシステムと連携して栄養価が高く豊富な食品を生産します。そして、資源を維持するだけでなく、持続可能性を超えて資源を改善します。
有機農業のグローバルリーダーとして認められている非営利の研究機関であるロデールインスティテュートでは、ファーミングシステム試験をほぼ40年にわたって実施しており、北米における有機栽培と従来の穀物栽培システム(慣行農業)の最長の並列比較です。
1981年以来、私たちは調査試験を通じて土壌の健康、作物の収穫量、エネルギー効率などに関するデータを収集してきました。
ロデール研究所などは、すべての世界の農地と牧草地を再生可能な有機システムに変換すれば、現在の年間CO2排出量の100%以上を隔離できると結論付けました。国連報告書が述べているように、待つ時間はありません。
再生可能な有機農業は、不耕起栽培のような方法を利用します。これは、カバークロップを使用して、二酸化炭素を吸収しながら栄養を土壌に戻し、温室効果ガスの排出を削減します。
不耕起栽培では土壌が乱されないため、カバークロップに吸収された二酸化炭素は大気中に放出されるのではなく、土壌内に隔離されます。
有機農業は土壌の健康を優先しますが、その基準では動物福祉と社会的公平性も考慮します。有機農業における家畜管理は、輪換放牧、牧草地での放牧、および不必要な抗生物質やホルモン剤の投与を排除し、気候変動における家畜産業が放つ負担を和らげます。
しかし、気候変動の影響を緩和するために再生可能な有機農業だけが必要なわけではありません。
異常気象がより頻繁に発生するにつれて、農業システムは回復力を持たなければなりません。私たちの研究により、有機作物は、洪水や干ばつのような悪天候時に従来のシステムよりも最大40%高い収穫量を生み出す可能性があることがわかりました。
これは、炭素排出量を削減しながら世界に食糧を供給することが可能であることを意味します。
有機農法は、土壌の健康を優先します。つまり、殺菌や菌類があふれ、そしてミクロビオームが繁栄する生きた土壌を作ります。それは、殺虫剤や除草剤の使用で土壌を劣化させる、そして単一栽培などの方法を行う工業型農業とは全く異なります。
健康な土壌はより安定しており、接着剤のようにくっつき、気候変動の極端な天候と作物の枯渇に伴う土壌浸食や土壌流出を防ぎます。(中略)
しかし、食料システムを変えるという負担を農家だけが負わないでください。消費者にも地球を守る責任があります。そして、気候危機を乗り切るには、消費者がオーガニック食品、有機栽培された物を選択、購入することが大切です。
(後略)